ブルッヘ歴史地区

ブルッヘ歴史地区

ブルッヘ(仏語でブルージュ)は、中世に貿易拠点として繁栄した、美しい街です。市内の縦横に巡る運河と、中世から時が止まっているかのような街並みから、〈水の都〉あるいは〈北のヴェネチア〉などとも称されています。ブルッヘは、ベルギーでも特に有名な観光都市であり、ヨーロッパでも有数の古都です。
 街の中心市街には、歴史的建造物が数多く現存しており、2000年に「ブルッヘ歴史地区」として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。

●ブルッヘ(ブルージュ)とフランドル派

ブルッヘの街の起源は9世紀頃、最盛期の15世紀には、貿易拠点として栄えました。市街から15kmほどの北海沿いのズウィン港を運河で結び、さらに市内の水路を整備した港町だったためです。ブルッヘは、北海への玄関港として、金融・貿易の一代拠点となりました。

 全盛期におけるブルッヘは、芸術文化においても北ヨーロッパの中心都市の一つでした。15〜16世紀に北ヨーロッパで流行した「初期フランドル派」の芸術家たちは、ブルッヘや近隣都市のヘントなどのフランドル地方で活躍しています。中でも代表的な画家であり、この時代の重要な巨匠の1人に数えられるヤン・ファン・エイクは、主にブルッヘで活動していました。

 初期フランドル派絵画の傑作は、ブルッヘの「グルーニング美術館」や「メムリンク美術館」で見ることができます。また、五年に一度、「ブルージュ・セントラル」という国際的なアートのイベントが開催され、毎回世界中の注目を集めています。前回は2010年に開催され、特別展をはじめとする、さまざまな文化イベントが企画されました。

●世界遺産「ブルッヘ歴史地区」の見どころ

「ブルッヘ歴史地区」は、15世紀の最盛期の後、運河やズウィン港が堆積にして海上交通の利便性がなくなると、貿易・経済の中心都市としての地位をアントウェルペン(アントワープ)に奪われ、急速に没落していきました。発展から取り残された一方で、中世のまま時が止まったかのような街並みが残されたのです。しかし、19世紀に入って運河が再生されると、その街並みに世界中の観光客が集まるようになりました。

 ブルッヘは中世の街そのものである旧市街を歩くことが最大の見どころと言っても良いでしょう。有名な観光スポットは、市の中心から約20分あれば徒歩でどこでも行けますので、半日あれば、ゆっくり見て歩けます。しかし美術館も多く、教会などの建物の中をじっくりと見学したいなら、滞在して楽しまれたほうが良いでしょう。

 街が世界遺産ですが、その中にさらに、「フランドル地方のベギン会修道院群」と「ベルギーとフランスの鐘楼群」の二つの世界遺産に登録されている歴史的建造物もいくつもあります。特にブルッヘで最古の教会である「聖救世主大聖堂」、第1回十字軍で持ち帰ったという聖血が奉られている「聖血礼拝堂」、ミケランジェロの〈聖母子像〉やヴァン・ダイクの〈十字架上のキリスト〉がある「聖母教会」などは必見です。

●ブルッヘの地理と観光

ブルッヘは、首都ブリュッセルから電車で約1時間です。歴史的建造物が広がる街並みが観光のメインですが、他にもいろいろとあります。前述の「グルーニング美術館」や「メムリンク美術館」の他にも、当時のブルジョア生活を見せる「グレートフーズ博物館」、や、「考古学博物館」などもお勧めです。また、特に女性にはチョコレート大国ベルギーを知る「チョコレート博物館」や、ベルギーレースの実現や販売がある「レースセンター」も楽しいでしょう。さたに、3〜10月の毎週末には蚤の市があって、大勢の人々で賑わっています。